遊撃警艦パトベセル
〜こちら首都圏上空青空署〜


首都圏での犯罪の増加――。それは長く続く警偉庁の悩みのタネのひとつだった。
人が増え、技術が発達し、世の中が過ごし易くなればなるほどそれに比例して犯罪も多くなる。
警偉庁が欲したもの。それは、犯罪者達が恐れおののく圧倒的な “権威の象徴” だったのである。
……そうして、莫大な予算と年月をかけて造り上げられたもの。
後に、警偉庁上層部と技術者達はこう語る。「カッとなって造った。反省は下の者にやらせる」
町の上空に浮かぶ巨大な艦影。首都治安の切り札にして、首都壊滅の危険を孕む火薬庫。
それが――――
巨大遊撃警艦、「パトベセル」なのである!!

……そのパトベセル。
元々は警偉庁エリート集団による首都治安の切り札に使われる予定だったが、警偉総監の一人娘・七瀬ヒカリに与えられてしまう。
警偉総監 「ほら、見てみろヒカリ。あれがこのほど完成した戦艦だぞう」
ヒカリ 「ふーん。おっきくてスゴイね」
警偉総監 「そうだろうそうだろう。何しろ莫大な時間と労力と税金をかけて造り上げたものだからな」
ヒカリ 「そうなんだ。…………お父さん、アレ欲しいんだけど」
警偉総監 「なに、欲しいのか? しょうがないなぁ、パパ大好きって言ってくれたらいいぞ」
ヒカリ 「単純なパパ大好き」
警偉総監 「やる!」

かくして子どもにあげるオモチャのよーに、莫大な予算をかけた戦艦は一人の娘っこに与えられてしまったのである。
「虹色の指揮官(七光の意)」、「歩く不祥事」、「始末書量産機」、「火薬庫の火種」、「日本警際の悪魔」…
様々な異名を持つ彼女の手に渡ってしまったが最後。

首都圏の明日はどっちだ――!?


≪シナリオ・プレイ感≫
 本庁と市民からの畏怖を一身に集める『青空署』メンバーの織り成すドタバタコメディ。
 ライターは箒星氏。
 
 全員がボケ役担当な登場人物たちが繰り広げていく日常シーンや戦闘時でのコントのような掛け合いの応酬は、アッパー系かつハイテンションで、見ていて面白かったですね。
 ヒロインの中で空、玲於奈はそれぞれダウナー系、真面目といったポジションではありますけど、どちらもかなりノリは良く、作品のアップテンポな雰囲気を崩すようなことは無かったです。

 キャラの造形や戦艦パトベセル、戦闘ロボ・ジェクトのフォルムの時点から、ハルヒやナデシコ、パトレイパーを思いっきり意識していますね。
 まあ、劇中でもDEATHトーションフィールドとか、即売会でのコスプレでハルヒコスしてたりとか、ヒカリの私服での髪型がまんまハルヒだったりと最初から隠そうとする気がさらっさら無いので見ていていっそ清々しかったですけど。NON団(ナンセンスに世の中を盛り上げようとする七瀬ヒカリの団)は吹きました。

 そういったのを始めとしてふんだんにパロディネタが仕込まれ、作品内でかなりの割合占めてたりします。ジョジョからガンダムからルパンからキャベツから。
 詰め込めるだけ詰め込んだそれらのパロを、『パトベセル』なりの笑いへと昇華していましたね。

 トントン拍子で進むためテンポはかなり良く、掛け合い以外での地の文での思考やツッコミも笑わせてもらいましたね。文章だけでなく(  д )  ゜ ゜←みたいな顔文字だったり記号のみで情景を描写したりと飽きさせません。ちなみにそういうのはうざったくならない程度のものになってます。

 ヒロイン毎の個別シナリオは、天然芸人気質なロールは共通のノリそのままなおバカシナリオですが、それ以外のヒロインはは全員シリアス路線に入りますね。伊月・玲於奈のは若干弱めですが、ヒカリ・空シナリオはかなり。
 といっても極端に暗くなるわけでもなく、ネタもしっかり挟んできますのでテンションは下がりませんでしたね。というか、展開されるシナリオは熱血ロボットモノのお約束を余さず踏襲しており、燃ゑました、単純に。
 奇をてらうなんてことは一切なく、愚直なまでにお約束一辺倒で、どんな風に展開していくのか大体予想出来たりもするんですけど、だからこそ良かったように思います。

 登場人物もバカで欲望に忠実、けど燃えるところは燃えて締めるところでは締める主人公を始めとして、魅力十分に描かれていますね。キャラ立ても十分出来てました。
 ヒロイン毎のシナリオでも、他ヒロインが積極的に絡んでくるのも評価出来ますね。どのヒロインにも見せ場がありました。空シナリオでのヒカリから空へのハッパとか、玲於奈戦とか。

 ゲーム期間は11日間。前半6日目までが共通シナリオで、以降はそれまでのマップ移動で選んだヒロインのシナリオに入ります。
 エンディングはメインヒロインでヒカリ、空、伊月、玲於奈、ロール、サブヒロインでみつな、葉澄、柚子、そしてハーレムの全9つ。

 攻略したいヒロインのみ選び続ければそのシナリオに入れますし、かなり簡単な部類でしょう。
 2週目以降は日常シーンをスキップ出来ますし、サクサクとプレイ出来ましたね。
 ヒロイン毎のエンドを見る度に、サブヒロインのエンドへ向かえるようになります。こっちはメインヒロインのとは違ってえちぃシーン→速攻でエンディングな形ですので薄めですね。
 で、全エンドを見るとタイトルからハーレムシナリオに行けるように。

 気になった点としては、共通シナリオで張られた伏線が、シナリオによっては消化されたりされなかったりする点と、ロールシナリオ以外でもおバカなコメディシナリオがもう1つ2つあっても良かったような気がする点。燃えましたし満足でしたけど、もう少しそういったのはあって欲しかったですね。
 ……あと、みつなはてっきりメインヒロインだと思ってたんですが。ブリッジメンバーで普通にレギュラーで登場回数も多いですし。

≪グラフィック≫
 原画家はあかざ氏。『モノごころ、モノむすめ』以降続いてますが、すっかりメイビーの看板みたいになってきてますね。
 CGは全115枚、差分は2〜6枚ほど。

 胸やお尻など、肉感強めに描かれていて良かったですね。
 立ち絵でもヒロイン毎にバリエーションもあり、表情差分も多いのでドタバタ劇を上手く演出していました。
 汁気についてはノーマルモードと多汁モードが用意されてます。これで多い日も安心。まあ、もちろん葉月は最初から後者でやってましたが。薄めよりもどろっどろのが好みでして。

 立ち絵の線がちょっと荒い感じがしましたが、概ね問題無かったと思います。。

≪サウンド・ボイス≫
 ボーカル曲はkeito嬢でOP曲『私ってジャスティス!』とちっち嬢でED曲『Crusing in My Heart』、BGMは全12曲。
 作品に合った、アップテンポで明るめな曲が多めですね。あと熱血なの。
 特に印象深いのは、ドタバタ時での『ジェットコースター☆LOVE』ですね。テンポとノリが良く、聴いているだけで楽しくなってくる曲でした。

 ボイスの方は上手い方が多いですね。未来羽嬢、桜川未緒嬢、草柳順子譲と、概ね問題ないレベルです。ただ、それと比べると玲於奈・葉澄役の方はちょっと微妙だったような。

≪システム≫
 フルインストールで2.94G、ディスクレス起動可。
 テックアーツ系列のいつものシステムですね。不満に感じることは全く無く、快適にプレイ出来ました。

≪キャラ≫
赤島 殉作

 非常にノリが良く、ボケ役にツッコミ役にと奔走してる人。
 ほどほどにおバカでスケベな欲望に超忠実ですね。自慰してる盗撮映像見る→速攻ダッシュで現場に直行したり、そこに胸やお尻が目の前にあったら即揉み倒したり。心中での天使の説得と悪魔の誘惑にも1クリックで天使をのしたりしてます。変に気取るよりかはこっちの方が良いですね。
 たとえ落ち込もうとすぐに再起してくるためにシナリオも暗くなりようが無く、燃えるときは燃えて、締めるところは締める、見ていてとても気持ちが良い主人公でした。

 ロール

 悪名高い青空署を差し置いて市民からの(お笑い方面での)人気を集める、天然芸人気質な人。
 その正体は街のクリーニング屋さん、本名向塚巻子。まんまなのに誰もその正体に気付かないのはお約束です。
 まさかの『モノモノ』からの参戦ですねー。情報公開されたときは吹いた覚えが。きっと下着は3枚で500円のセール品ですよ。

 ヒカリや空のシナリオでは格好良い役どころで魅せてくれますが、自身のシナリオは他ヒロインのものとは違い、シリアスゼロのひたすらなギャグ展開。
 一貫してネタに走っており、ドラゴンボールにルパンとやりたい放題やってますね。シリアスに迫る相手をギャグで完封したりと笑わせてくれます。超級覇王電影弾やったりしますし。ヒカリの『私たちの戦いはこれからよ!』は盛大に笑えたり。
 ラストでのルパンネタも良かったです。みつな、そのセリフは奪っちゃダメだw

黛 玲於奈

 本庁から派遣されてきたキャリアの警偉。
 エリートで、青空署のクルーたちを見下している……と、設定だけ見たら堅物そうなイメージですが、全くそんなことは無く、かなり早く青空署メンバーに毒され順応してますね。意識していないうちにどんどん署の生活に馴染んでしまっていくのが笑えます。酒が入ると更にノリノリ、加えてドジっ娘+眼鏡っ娘属性な人。

 シナリオは市内で起きる連続爆弾事件と、その中での組織の理想と現実の差に葛藤する彼女。シリアスちょっと多め。
 シナリオとしては悪くなかったですが、それより何より見所は、共通、他シナリオとはうって変わってデレまくりな玲於奈ですね。それまでツンで貫いてたのが一転して、他のヒロインと良い感じになったら嫉妬したり、2人っきりのときに名前で呼ばなかったら怒ったりと、独占欲むき出しにして甘えてくれます。

篠原 伊月

 きょぬー。青空署内メカニックの紅一点。そして巨乳。
 いや、やっぱり一番印象に残ってるのは全ヒロインでも最高クラスなそのおっぱいでしょう。布一枚で隠すとこだけ隠されてその下からまろび出るむっちりとした谷間と下乳が、男心をくすぐります。
 
 シナリオは頻発する改造されたOSを搭載したジェクトの暴走事件。
 共通シナリオで語られていた主人公の銃に対するトラウマについて判明するシナリオ。

 女の子な趣味を持たず、男っぽい性格だったのが、恋人になってからは主人公に喜んでもらおうと可愛くなっていくのがいじらしかったですね。
 あと、とりあえず伊月のライブでの自慰映像を見て速攻駆けつけた主人公の、、
 『『エッチしたい』なんて、女の子の方から言ったら嫌われる……』
 『今時そんな奴いるかぁーーーっ! そう伊月に言われたら、嬉しくて全裸で小躍りしながらベッドの上を昇り降りしてやるわ!!』

 には、心の底から主人公に同意しましたね。それが男の子ってものです。

端深 空

 パトベセルオペレーター。今作でのロリ担当。
 キャラ設定は思いっきり某電子の妖精をイメージしており、あれと同じくマイペースに辛辣にボケとツッコミしてくれます。
 彼女の『大丈夫、ギャグに徹していれば死にはしませんから』は作品全体でメタになっていましたね。
 何事にも興味が薄かった彼女がだんだんと心を許し、甘えてくるようになるのはベタながら良かったです。

 シナリオは空の出生の秘密と、それにまつわる陰謀。
 個人的に、一番好きなシナリオでしたね。圧倒的戦力差、何十倍もの物量の敵に対して挑む、無謀な戦い。勝ち目なんてありはしない戦い。
 端から見れば愚かでしかないその戦いに、ただ仲間を守るという、そんなちっぽけな理由で挑むのは理屈抜きにして熱くなりましたね。
 ヒカリ、玲於奈、ロールと、他ヒロインも光っていました。

七瀬 ヒカリ

 艦長席にふんぞり返っては漫画を読みながらポテチを食べ、どんな無茶でも署長命令で押し通し、ムカつくことがあれば本庁に戦艦の主砲を打ち込んでと、やりたい放題に本庁と市民とを恐怖のズンドコに叩き込む、『唯我独尊』を絵に描いたような人。
 『面白ければオールオッケー』な性格ですが実際はうぶで、主人公が上半身裸になったり、他のヒロインとしている映像を見て真っ赤になったりと、えっちぃことには耐性なかったりします。その分、個別シナリオに入って恋人になった後でべたべたに甘えてくるのには萌えましたが。

 シナリオは大国の陰謀と、市内全域を舞台にした決戦。
 空シナリオに次いで燃えて楽しめましたね。空のからシリアス分をいくらか少なくして、代わりに燃え要素に特化した感じです。
 共通の敵に対して、今までいがみ合っていた相手と協力して立ち向かうっていう展開はお約束ながら非常に燃えます。ラストでの、最後の最後のお約束もまた。

≪えちぃ≫
 シーン回想は全34シーン。内訳としてはヒカリ:5、空:5、伊月:6、玲於奈:6、ロール:5、みつな:2、柚子:2、葉澄:2、ハーレム:1。

 実用ゲーとまでは行かないですが、回数としては結構多い方ですね。CGもえっちく、テキストの質も十分高めなレベルでしたね。
 シーン中でのアニメーションも滑らかさを増していて、いやに自然に見えました。

 シチュとしてはフェラにパイズリ、シックスナインといったオーソドックスなのがメイン。数回アナルとかはありますね。
 基本的に着衣してのものがメインで、警際制服が大半ですね。後は私服にメイド服、裸エプロンとか。

≪気に入ってるシーン≫
ヒカリ初H、フェラ→正常位処女喪失/ヒカリ足コキ→艦内放送でライブ中継されながらの後背位/空スク水スマタ→騎乗位/空ナイムネパイズリ→側位/伊月初H、パイズリ→後背位/女湯、柚子が側にいる中での湯船の中での伊月との騎乗位/伊月自慰、側位→その映像で呆然とするヒカリ/玲於奈初H、逆レイプされての騎乗位/パトロール中、コクピット内での玲於奈との対面座位/ロールシックスナイン→まんぐり返しでの挿入/ロールパイズリ→アナル弄りながらの後背位/葉澄からのフェラ→騎乗位/ハーレムエンド、柚子・葉澄に愛撫しながらのみつな正常位→伊月への胸吸い、ロールにフェラされながらの空騎乗位→ヒカリ・玲於奈Wパイズリ、交互に挿入

≪総評≫
 ネタとお約束、ギャグと燃えとで構成された、非常に上質のバカゲーですね。おバカ系なシナリオが少なかったのは残念でしたが、ほどよく笑えて、燃えられる作品で楽しめる作品でした。
 メイビーソフトは良い感じにバカゲーブランドとしての地位を確立してきてますねー。

08/02/18


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