祝福のカンパネラ
-la campanella della benedizione-


物語の舞台は、“世界の宝物庫” と呼ばれる都市・エルタリアで幕を開けます。
この街は今、『収穫祭』の準備が進められていました。
今年は7年に1度の “エール” が満ちる年ということもあり、世界中からさらに多くの商人や観光客、そして冒険者が集まって、例年よりも賑やかさを増しているのです。
そんなエルタリアに住む青年・レスターは、冒険者クラン 『Oasis』に所属するアイテム技師。
彼もまた 『収穫祭』を楽しみにするひとりでした。
“エール” が満ちるこの年は、必ず夜空を流星群が埋め尽くす夜があり、街中の人々の間でもその話題でもちきりになっています。
そしてなんと、雑誌や新聞の予報では 今日が 『流星群の日』 なのです。
レスターの幼なじみでもあり、エルタリアの公女でもあるカリーナは、夜になるのが待ちきれないと、彼を祭の準備で賑わう街に誘い出しました。
そこで彼らは、中央広場で大道芸をしていた 自称世界一の人形師・アニエスや、神都から遠征してきた 神殿騎士・チェルシーとも仲良くなり、みんなで流星群を見に行くことになったのです。

その夜。
エルタリアの大聖堂屋上でパーティーをしていたレスターたちに向かって、なんと流れ星のひとつが向かって来ました!
慌てて身構える一行でしたが、その星は彼らの上を通り過ぎ、大聖堂の塔に落ちたのです。
急いでその塔に駆けつけたレスターたちは、そこで隠し部屋を発見します。
そこは神秘的な雰囲気に包まれた部屋で、中央のベッドにはひとりの可憐な少女が眠っていました。
レスターが静かに近づくと、その少女はゆっくりと目を覚まし……
「あなたが、わたしのパパですね!」
と、世界中の人々を全て幸せにするかのような、満面の笑顔で告げます。

――星々が無数に降る神秘的な夜の、不思議な部屋で出会った少女。
このミネットとの出会いが、レスターたちを今までと違う賑やかな日常、そして思いもよらない冒険へと導くことになるのでした。


≪シナリオ・プレイ感≫
 幼なじみのお姫さまに自動人形、騎士に人形師、様々な仲間と共に冒険していく話。
 ライターはサイトウケンジ氏、ちゃとら氏、木之本みけ氏の3名。

 シナリオは序章、1〜2章、終章の4章構成からなっており、前半はラブコメ要素強めな展開で、後半に進むにつれてシリアス要素が入っていく、といったつくりですね。

 全体的に比重が置かれてるのはシリアスよりも萌えでしょうか。
 ゲーム開始後、序章始まってすぐの段階で既にちょっと頑張ればベッドに直行出来るだろうってくらいにヒロイン全員の主人公に対する好感度が高めとなっており、それが終始続いていくため、非常にだだ甘な雰囲気が出てましたね。そういうヒロインとの甘いシチュを求めるんであれば、十分に堪能出来るかと思います。
 シリアス面についても、話の盛り上がり方とかは悪くなかったですし、割かし楽しめたように思います。基本萌えゲー作品のとしては結構良い感じ。
 ラスト付近の展開とか、同じ流れで部分部分をいくらか変えるとかではなく、各ヒロイン毎にそれぞれ違ったシナリオ展開にしてるのは素直に評価出来るポイントでした。

 ただ、共通シナリオ中で頻繁に入ってくるクエストの存在が作品のテンポを悪くしてしまってた感があったのは正直否めなかったですね。
 ファンタジー風な世界観の中、様々な仕事を請け負ってダンジョンを探索したりモンスターと戦闘したりすることになり、まあこれ自体は世界観の描写やらキャラクターのコミカルさやらで悪くなかったんですけど、各ヒロインを攻略してするために周回プレイをこなしていく上で同じクエストを何度も見せられるためか。
 出来れば、既にこなしたクエストはスキップ可能になるとかして欲しかったですね。戦闘シーンは選択肢を選んで進行していくADVの延長といった感じになってますが、何度も同じのをするのは流石に面倒でしたし。

 このため少々中だるみするところはありましたが、それを許容出来るんであればだだ甘な萌え展開+シナリオと楽しめる作品だったかと思います。



 以下、個人的な雑感でもつらつらと。

 ……ただまあ、ストレートに好意を向けられた上での萌えシチュは良かったと思うのは確かなんですが、最初から最後まで延々とそれが続いていく、っていうのにはちょっと疑問に思えるところはあったような気がしますね。
 ヒロイン全員の主人公への好感度設定が最初からクライマックスなため、いまいち攻略のしがいが薄かったり、主人公とヒロインが惹かれあっていく過程となる描写がはしょり気味になっていたり。
 甘い展開は大好きではありますけど、その前の描写があるからこそ、そういう展開が映えてくるものだと思いますね、葉月としては。序章の時点で初対面であるはずのアニエスやチェルシーですら、出会ってすぐにデレ状態っていうのはなあ、と。
 また、どのヒロインにしても『主人公が好き』っていうのを前面に押し出し過ぎているせいか反応が似通ってしまっており、それぞれの個性が薄くなってるようにも思えましたね。可愛かったですし萌えられましたけども、もっと各ヒロイン毎に違った味付けとか欲しかったところです。ツンデレとか。

 あと、ヒロイン全員主人公に惚れているにも関わらず、競争相手であるはずの他のヒロインにほとんど悪感情とか抱くことなくお互いのことを褒め称えるばかりっていうのはちょっと。
 基本ほのぼの萌えゲーですし、ぎすぎすとした修羅場を求めるわけじゃないんですが、正直綺麗過ぎなように思いましたね。人としての黒さみたいなものが感じられない、というか。悪意ばかりをぶつけてくるヒロインっていうのは見てて嫌気が差しますけど、その逆に善意ばかりっていうのも、なかなかに歪んだものがあると思ったり。
 善意も悪意も、上手く描きさえすればお互いがお互いを引き立てるスパイスに成り得るものでしょうし、結局のところはやっぱりバランス配分が重要なんでしょうね。


≪グラフィック≫
 原画家はこ〜ちゃ氏。
 CGは全108枚、差分は1〜80枚ほど。差分多ッ。

 柔らかさと可愛らしさとが押し出された、個性ある絵柄ですね。欠点らしい欠点もなく、安定した質を保っていたと思います。
 また、立ち絵や表情のパターンが豊富なこともあって、イベントCG以外のときでもにぎやかな掛け合いっていうのを表現出来てました。

≪サウンド・ボイス≫
 ボーカル曲は佐藤ひろ美嬢&NANA嬢でOP曲『祝福のカンパネラ』、キャラクターソングとして、『 *twinkle*twinkle*』、『White Crystal』、『銀月〜La lune de l'argent〜』、『A ray of sunshine!!』、笶田みこ嬢でのED曲『たからもの』の全6曲。
 OPを始め、概ねどれも良い曲だったと思いますね。おかげでPSPのエロゲソングフォルダがまたにぎやかに。

 BGMは全40曲。
 落ち着いた、柔らかい感じのする曲調のものがメイン。その他にも戦闘シーンなどでのアップテンポなものやシリアス調のものと、各種揃ってます。全体的に高水準な出来に仕上げられてましたね。

 ボイスの方も特には問題ないでしょう。メイン・サブと有名どころも多く、キャラに合った演技されてたと思います。

≪システム≫
 フルインストールで4G、ディスクレス起動可。
 プレイするのに必要になるものは概ね揃ってましたし、特に不便に感じるようなことは無かったですね。とりあえず、音声漏れとかあるみたいなのでパッチ当てとけば問題ないかと。
 というか、最大セーブ数1000もどう使えばいいんでしょうか……。

≪えちぃ≫
 シーン回想は全20シーン。内訳はミネット:4、カリーナ:4、チェルシー:4、アニエス:4、ニナ:2、サルサ&トリス:2。
 各ヒロイン、1シーンはエンディング回想となっていますので、実質15シーンです。

 シチュとしては全シーン、お互いに好きあった上での純愛和姦ですね。無理矢理行為に及ぶようなのは一切ありません。
 シナリオ面同様にひたすらだだ甘なテイストを前面に押し出しており、恋人同士での甘い雰囲気の中でのシチュっていうのを良く描けていましたね。

 プレイ内容はキス、愛撫、フェラ、手コキ、パイズリ、クンニ、シックスナイン、各種体位、といったところ。純愛モノらしく、オーソドックスなもので占められてますね。変わったのは、トルティア姉妹で3P姉妹丼がある程度です。
 着衣してのは、普段着、下着、水着などでのものが多めですね。

 萌えゲーのえちぃシーンとしては尺は結構長めでしたし、変わったプレイなんかは無いものの、ヒロインと想いあっての甘い和姦なテイストは十分に出ていて良かったですね。こーちゃ氏の絵柄の可愛さもあって。

≪気に入ってるシーン≫
ミネット
パジャマをはだけ、舌で舐められながら胸を愛撫されるミネット→抱き合い、キスをしながら正常位で挿入されるミネット/ベッドに横になりながら胸と秘所を愛撫され、後ろから挿入されるミネット→背面騎乗位で自分から挿入していくミネット

カリーナ
ベッドに横たえられ、キスを受けながら全身を愛撫されていくカリーナ→カリーナからのパイズリ→ベッドに寝かされ、正常位での挿入に処女喪失していくカリーナ/湯船の中、頬を上気させながらパイズリ奉仕するカリーナ→湯船に手を掛け、立ったまま後ろから挿入されるカリーナ→騎乗位になり、自分から挿入していくカリーナ

チェルシー
シックスナインの体勢になり、フェラ奉仕しながら秘所をクンニされるチェルシー→騎乗位で挿入されるチェルシー/浜辺にて、舌を絡ませ、胸を揉まれながら手コキしていくチェルシー→対面座位で抱き合いながら挿入され、更に砂浜に横たえられて正常位で挿入されるチェルシー

アニエス
横たえられ、キスをしながら全身を愛撫されていくアニエス→正常位での挿入に処女喪失していくアニエス/胸に挟み、パイズリしながら手コキしていくアニエス→騎乗位になり、自分から挿入していくアニエス→四つんばいになり、後背位で挿入されていくアニエス

ニナ
立ったまま後ろから胸を揉まれ、キスしながら愛撫されていくニナ→テーブルの上に身体を預け、立後背位で挿入され処女喪失していくニナ→行為の後、フェラ奉仕していくニナ

トリティア姉妹
ベッドに横にされ、お互いに愛撫しあいながら主人公に愛撫されていくサルサとリトス→重ねられ、交互に挿入され、処女喪失していくサルサとリトス

≪総評≫
 全編を通し、ヒロインたちとのひたすらに甘いシチュエーションを堪能出来る作品ですね。シナリオ面も悪くは無いですし、萌えゲーとしては概ね良作と言えるレベルだったと思います。
 ただ、好感度の初期値が全員非常に高く、そこら辺から来る弊害が個人的にはちょっとばかり気になりましたね。過程とかを重要視してると肩透かしを食らうところはありました。

 09/02/18


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