螺旋回廊
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主人公・佐伯祐司は大学で助教授として教鞭を振るっている。最近、教え子の一人、水代葵の強い勧めでパソコンを買ったもののうまく使いこなせず、ことインターネットに関しては素人同然だ。ある日、教えてもらった葵のHPを見ようとインターネットに接続するが、そのURLが間違っていたために「EDEN」というアンダーグラウンドのHPに辿り着いてしまう。
そこは女性を拉致監禁したり、強姦したりすることに何の罪悪感も感じない者たちの楽園だったのだ。そして今、彼らはユカリと名乗る者の依頼によって、恐ろしい遊びを始めようとしていた……。

主人公の周りで起こり始める異変。掲示板で自分の身近で起こることを予言され、それが的中。果てはヒロインと肉体関係を結んだ直後に、そのことが書かれてしまう。
誰かが自分を監視している。誰かが自分に関わる全てのことを知っている。何故? どうして? そして誰が……?


シナリオ
 アングラサイト『EDEN』に集まる集団により、主人公の周りの女性たちが襲われていく、というシナリオ。
 ライターは家畜人タムー氏。

 エンディングを見ることで主人公以外の視点から物語を見れるようになり、あの場面では他の人物はどう思っていたのか、その裏側では何が起こっていたのかといったことが描かれます。
 そうしてそれぞれの物語が絡み合っていくことで、登場人物たちの関係やシナリオにおける謎が少しづつ明らかにされていく……っていう感じですね。
 ただ、仕方なくはあるんですがこうしたマルチアングルの結果として同じ場面を何度も見せられることになるのはマイナス点ではありましたね。

 作品を通して描かれるのは、インターネットという匿名性を持った媒体を介して向けられる、実態すらわからない、けれど明確な悪意。
 それに対して何をすることも出来ず、ただ翻弄されていく恐怖が上手く描かれてると感じました。
 
 選択肢により他の人物のシナリオでの結末が変わり、加えてそれが結構細かかったりするため、難易度はかなり高めですね。素直に攻略見つつやるのが吉かと。
 
 五人目の視点までの全てのエンディングを見ると、ヒロイン三人+αのハッピーエンドへと繋がるおまけシナリオが追加されます。
 本編とは違いご都合主義な気が少しばかりしましたが、本編シナリオへの『救い』という面ではあってよかったと思いますね。

 気になったのは……時折挿入される主人公の過去の話だったりローシュタインの話だったりが物語上それほどというかほぼ機能していないことと、エンディングが多い代わりに割かしすぐに終わることでしょうか。
 といっても、それほど気にはなりませんでしたが。


グラフィック
 原画は南風麗魔氏。枚数は差分を含めて117枚と、少し少なめな感じです。
 七年ほど前の作品ということもありいくらか古めかしい絵柄なのは否めませんが、全体的にどこか暗めな塗りが物語の陰惨さと非常にマッチしているかと。


サウンド・ボイス
 主題歌はなく、BGMは全27曲。
 ほのぼのとした曲調のがいくつかありますが、大半はやはり陰鬱な曲ですね。
 全般的に上手いタイミングで使われており、恐怖の演出に一役買っています。『赤鼻のトナカイ』とか、ほのぼのしているはずなのにテキストと場面でのシチュにより、いやらしく、えげつないです。

 ボイスの方も問題はないかと。
 北都南嬢が二役+脇役やってたりしますが、この頃から上手かったんだなと思いますね。


システム
 フルインストールで630MB、ディスクレス起動可能。
 ですが復刻版準拠ですのでオリジナルがどうかはわかりません。

 プレイしていて特にストレスを感じるところはなかったですね。スキップはそれなりに早いですし、セーブ数もやっていて困らないくらいにはありますし。


えちぃ
 シーン回想がないため正確な数ではありませんが、大体40シーンほどでしょうか。

 作品の世界観を深める役割としての意味合いが強く、ほぼ凌辱シーンオンリーですね。純愛なシーンもあるにはありますが、それすら後の凌辱におけるスパイス。

 シチュとしては輪姦や強制フェラとかが多めですね。あとはチューブ連結とか両穴バイブで拘束放置とか
 抵抗しながらも徐々に追い詰められ、絶望と諦めに心が支配され堕ちていく過程がヒロインの視点から生々しく描かれるのがいい感じです。
 ……まあ、男同士でのシチュがあるとは思いませんでしたが。

 最も印象に残ってるのは薬をキメさせられた主人公がカッターでヒロインを切り刻む場面でしょうか。……直後のエンディングでの全身包帯の痛々しさと相まって、普通に寒気に鳥肌が立ちました。戦慄っていうのはああいう状態のを言うんだなと。


総評
 ageスタッフの黒さが濃縮された、超上質なサスペンスホラー。
 凌辱系に耐性がないとキツ過ぎますが、復刻版も出て入手しやすいですし興味があればやって損はないと思います。

 07/05/17



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