ミナミからの手紙


――君はどっちの“ミナミ”なんだ?
画面越しの文字だけの出会い。だからこそ、強く興味を持ったのかもしれない。

主人公、草薙和志は、好奇心といくばくかの下心から出会い系サイトの世界に足を踏み入れた。
そこで出会った女の子。彼女と話をしている時に覚えた違和感。
それは距離が少しずつ近づくたびにはっきりとした疑問へと変わっていく。
もしかしたら……このコは同じ街に、同じ学園にいるんじゃないだろうか?

変わらない日々の中で生まれた、ほんの小さな波紋。
それは、俺の生活を大きく変えるきっかけに……なるのかもしれない。


≪シナリオ・プレイ感≫
 ライターはおくとぱす氏、東人氏、渡辺景の3名。

 シナリオは美菜海・綾音ともに、『ミナミ』の正体を知り、そこからどう行動するかで凌辱シナリオ、純愛シナリオとに分かれていきます。
 2つのシナリオは長さ自体は純愛の方がいくらか長いものの、挿入されるCGやえちぃシーンなんかを考えると密度は凌辱シナリオの方が濃い印象を持ちました。

 純愛シナリオは、ヒロイン2人に共通するのはそれまでの主人公とヒロインが作ってきた関係が壊れ、それを修復していく……といった流れなんですが、プレイしていて冗長な感がありました。
 全体的に特に盛り上がるわけでもなく、その状態で同じ話題を繰り返すため、正直ぐだぐだに思えます。最後には結局お互いの気持ちを伝え合って……で終わりますが、その後エンディング直行なためあまり印象に残りませんでしたね。

 対しての凌辱シナリオはかなりいい出来だったと思います。やはりライターの方々はこっちが本職でした。
 こちらの流れはヒロイン2人ともに違いますね。
 まず美菜海。こちらは一緒にいるうちに偶然彼女に掛けられていた催眠術の起動スイッチとなる言葉を発見、それを利用して彼女を自分の所有物へと堕とす……というマインドコントロールを軸にした展開。
 催眠術を施され既に処女を奪われ調教された後、というのがどうにも気に食わなかったものの、概ね期待以上のものが見られましたね。
 催眠術によっての思考操作、感覚操作といったMCモノならではの展開は大体見れましたし。
 彼女自身がそれを理解することなく、感覚も思考も操作され、自身のあずかり知らないところでだんだんと体を淫らに変貌させられていく様はキました。
 そういうことはキスまで、と言いながら意識できない状態でディープキスしながら奉仕させるなど、言っていることと全く逆のことを本人が認識しないままにさせる、っていうのはぞくぞくしてしますね。

 綾音の方は美菜海とは違い、催眠術などによってのMC展開なんかはありません。言いようによっては操作している、と言えなくもありませんが。
 彼女の場合は、彼女には自分がメールしている相手(主人公)の正体に気付かれることなく、メル友として親しくなりメールを交わしていくうちに、彼女が抱いていた主人公への気持ちが曖昧なものだったことに腹を立て、彼女を襲い……といった展開。そしてその場面の写真を盾にして綾音を脅迫していくことになる、と。
 こちらで上手いと思ったのは、凌辱後になっても彼女にはメールの相手が主人公とは気付かれていない、という点。そのため、メル友の関係は消えることなく続いていきます。
 そうしてそのメールの送り先が犯している本人だと知らずに送られてくる、今日は何をされ、それで自分はどう思っていたのかという彼女からの報告を利用し、あくまで『顔も知らないメル友』として素知らぬふりで彼女が淫らになっていくようそれとなく誘導していく、といった感じですね。
 こちらはこちらでなかなか楽しめました。
 
 エンドは美菜海・綾音それぞれに純愛エンド、凌辱エンドが一つづつ。
 選択肢は数えるくらいしかありませんし、特に難しくはないかと。
 一応ハーレムっぽいがあったりはしますが、CGにこれは夢ですとかいういくらかのテキストが入る程度ですのでエンドと見なすのは気が引けます。

 その他で気になった点としては、美菜海凌辱シナリオ内で綾音に対して催眠術を掛けるか、という選択があるにも関わらず、別にそういった展開がなかったことでしょうか。何の意味もない選択肢を入れるのはどうよ、とか。

 あと、これはゲームとは関係のない部分ですが、メーカーでのゲーム紹介がちょっと微妙ですね。
 ストーリーは書かれているものの、結局作品がどういったものなのか、というのが見えてこないんですよね。そこら辺で損をしてる感があります。
 せめてヒロイン2人それぞれのえちぃシーンのCGを一つづつでも載せてその場面でのテキストをいくつか併記する、とかもあっただろうにな、と。

≪グラフィック≫
 原画家はてんまそ氏。
 CGは全26枚、差分は1〜7枚程。

 商業の方でも活動している方ということもあって、全体的に同人ソフトの水準は軽く越えていますね。
 一つだけ、美菜海・綾音が揃って廊下にいるCGでの背景の遠近感がいやに狂ってるように見えたくらいで、その他は概ね可愛らしく、肉質や陰影なんかも上手く描けてるかと思いました。

≪サウンド・ボイス≫
 ボーカル曲はなく、BGMは全11曲。
 明るめな曲調と落ち着いた曲調のがメインですね。あとは凌辱シーンでの暗めなのがいくつか。

 ボイスの方はヒマリ嬢、芹園みや嬢ともに上手く演技されてますね。風華嬢も脇役ではありますが良かったです。

≪システム≫
 フルインストールで424MB、ディスクレス起動可。
 プレイする上で必要になってくるものは大体揃っているかと。同人モノとしてはシステム画面実装されてるのは珍しかったですね。

≪えちぃ≫
 シーン回想は全24シーン。内訳は美菜海:13、綾音:11。
 純愛シナリオでのものは2人とも1、2シーンしかないため、ほぼ全て凌辱系と思って差し支えないと思います。
 
 シチュとしては、美菜海は催眠術を用いて感覚・思考を操作してのものがメイン。精神を犬化させるとか、彼女の中での常識を書き換えてだったりとか。
 で、綾音は抵抗心を削ぎ落とすための恥辱責め、焦らし責めがメインな感じですね。
 大体良い出来とは思うんですが、ちょっとばかり挿入まで至るシーンが少なめなのが気になりました。

 CGが入るシーン以外での、催眠術をかけるところだったりの回想が入ってるのはいいですね。分かってますねスタッフ。
 難点なのはサムネイルのみでどのシーンなのか分かり辛いかなといったところ。同人ソフトで仕方ないことですがCGが少な目のために使い回されているため、同じサムネのがいくつかあったりしますし。また、通常えちぃシーン以外のは立ち絵のみの表示だったりするためどれがどれなのか。簡潔にそのシーンのタイトルなんかがあったら良かったですね。

≪気に入ってるシーン≫
『好き』という言葉を絶頂のスイッチにされ、何度もイかされる美菜海/精神を犬化され犯される美菜海/『裸でいること』を当然と思い込まされ、自分の意思で騎乗位する美菜海/服を認識できなくさせられ、衆目の中擬似露出させられる美菜海/催眠を掛けられ建物裏でフェラさせられる美菜海/清い関係と認識しながら、淫らにディープキスをし、奉仕を行う美菜海/メールでの指示通りに音楽室で自慰を行い、主人公に目撃されながらもそのまま続けさせられる綾音/バイブ・ローターを付けたままで授業を受けさせられるのを強制される綾音/バイブ・ローターを付けたままでの部活を強制される綾音/限界まで焦らし責めされ、屈服する綾音/嬉々として命令を受け入れ、牝奴隷になったことをメールで報告する綾音

≪総評≫
 純愛シナリオが微妙ではあるものの凌辱シナリオの出来が良く、3000円という値段を考えれば十分過ぎるほど満足のいく作品。
 ヒロインを自分の好きなように作り変えていく、というシチュが好きな方にはかなりおすすめできますね。

 08/01/06


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