学園☆新選組!
〜乙女ゴコロと局中法度〜


時代は現代、杏都の町にある全寮制の女子校、「私立愛津女学園」は伝統ある名門校として知られていた。
しかし、少子化や社会経済状況等の影響により年々生徒数は減少し、学園の大きな問題となっていた。
そこで学園教頭は、かねてから構想にあった愛津女学園の「共学化」を提言。
これに対し、歴史と伝統を重んじる学園長・松平並盛は学園の共学化を良しとはせず、現体制を維持することを強調。
これにより学園の女子生徒たちも、自由な校風や男子生徒との恋愛を望む者は共学化に賛成、伝統と学園の秩序を重視する者は共学化に反対と、学園が真っ二つに分かれる形となった。
いつしか現体制を維持する生徒のことを「佐学派」、そして現体制を排除して共学化を望む生徒のことを「討学派」と呼ぶようになり、学園では二つの勢力が小競り合いを続ける事態となる。
討学派を指示し、まとめあげる生徒たちも現れ、学園の秩序が乱されていく事に危機感を覚えた並盛は、学園の治安維持を目的とする風紀生徒たちの選抜を行う。
そうして選び抜かれた学園の治安を守る女性剣客集団。浅葱色のダンダラ模様の羽織に身を包んだ彼女達は、畏敬と羨望の眼差しでこう呼ばれる。
───『新選組』、と。
そして、風雲急を告げるその愛津女学園に、一人の編入生がやって来るところから物語は始まる。
彼の名前は「松原 悠」。愛津女学園と共学化の話が出ている、「佐都間男子校」の理事長の一人息子である。
共学化実現の前に試験的に男子生徒数十名が編入する予定だったが、並盛はそんな大勢の編入は認めないと突っぱねたため、理事長の息子である悠だけが編入する事となった。
当然、討学派の生徒達は共学化のアドバンテージを得るために悠を自分達の陣営に引き込もうとし、それに対し佐学派の生徒達は悠を討学派に渡さぬようにその身を拘束しようとする。
かくして女だらけの学園で、一人の男子生徒を奪い合う一大争奪戦の幕が切って落とされたのだった!


≪シナリオ・プレイ感≫
 共学化を進めるため訪れた学園で、討学派と佐学派との争いに巻き込まれていく話。
 ライターはひなた那由多氏、想ファクトリー氏、箒星氏、碧依未来氏、群青氏、望月ういん氏の6名。

 とりあえず、あくまで個人的な印象と前置きしておいて。
 ……よくもまあ、前作からここまで劣化させたもんだなー、というのが素直な印象。
 ところどころに今まで通り笑いは散りばめられていますし、面白かったとすればそれはそれで確かなんですけど……正直期待外れというか、肩透かしだった感が非常に強かったです。

 メイビーの魅力であるコメディ部分の質もはっちゃけまくっていた、というか極めてグレーゾーンで暴走し過ぎていたネタとパロディで押し切っていた前作と比べると、どうにもこじんまりしてました。
 今まで通りの箒星氏が担当してると思しきシーン(芹栖の六番勝負とか)など、随所で光りはするものの、全体的に質が低下していて前作と比べて確実にプレイしていての笑いの間隔は長くなってしまっています。
 それに伴ってノリもいまいち悪くなっているため、そういう破天荒なノリのおかげで許容出来ていた描写不足なんかの不満点が明るみに晒されてる感じでいやに目に付きましたね。

 シナリオについてもかなり短めですね。共通シナリオで2、3時間、個別で3、40分程度と。スキップ併用してやってましたが、いくらなんでも短すぎでしょう。2周目以降、普通に1時間以内に2人クリアできるんですが。
 内容も、ヒロイン数を多くしたためか1人1人の分量が薄めで、イベントもはしょられ気味ですね。個別シナリオ入っていくつかイベント、えちぃシーンが続いていく内にいつの間にか円満解決してはい終わり、といった感じ。
 主人公とヒロインとの仲についても、お互いにいつ好意を持ったのかほとんど描写が無いため置いてけぼりなきらいがありました。
 特に歳緒とか、ツン期→デレ期へ移る過渡期みたいなのが全く無くて意味不明でしたね。直前のシーンまでガチで嫌ってたのが個別に入っていきなりなんぼか気を許した状態になられても……。

 キャラの理念とかがはっきりしていないのもちょっと。
 攻略可能ヒロインである新撰組の面々に、さしてこれといった理念とか信条がないため素直に楽しめなかったですね。『男が嫌い』とか、『なんとなく』とか、そんな大したこと無い理由なので。
 討学派のが、はっきりした理念の元に動いていて遥かにまともに見えますし感情移入出来るんですが……。

 それにヒロイン達と同様、主人公についても主体性無くて微妙ですね。前作の赤島とか、おバカでエロく、やるときはやるから好きだったんですが。
 男子編入を推し進めるために来たのに、特に理由も無く流されるまま反対派にさも当然のように居つくとか、流石にダメでしょう。何がしたいのコイツ。
 せめて、いくらかの交流を通じてその信条に何かしらの感銘を受けた、とかのクッションがないと納得出来るはずが無いんですが。……まあ、そもそも感銘受けるような信条も何もほとんど無いんですけど。
 加えて戦闘も弱いですし、見せ場に欠ける感が強くて極めて空気でした。
 一応立場的に橋渡し役とかにもなれたんでしょうけれど、直談判して事態を解決させようとしてる相手に対して邪魔立てして、それが成功したことを本気で喜んだり、ヒロインが討学派に移ると言えばほとんど躊躇無く鞍替えしたりと、本当に何しに来たんだコイツ……と思わざるを。
 というか、初音エンドで共学化失敗したのに、何で未だに学園に残り続けてるのか謎。

 エンディングは新撰組隊士7人のエンドが1つづつ、それら全て見た後でのタイトルから行けるハーレムエンド、そしてノーマルエンドの全9つ。
 マップ移動で同じヒロインをひたすら選び続けてればいいだけなので難易度は絶無でしょう。
 出来れば、討学派の坂本涼華や桂心なども攻略させて欲しかったですね。
 『かにしの』みたく佐学派と討学派のどちらかに属すかを選択して各派毎に攻略できるようにするとかして。この上薄味になること必至ですが。

 しかし、それまで女子校だったのが経営が苦しくなり男子を編入することに、っていうのはザラに見かけますし、それに反対する勢力も台頭してるシチュはお決まりのごとくあるんですけど、それをしないとどうにもならないから男子を呼ぶっていうのに、そんなただイヤだからというだけで反対するのは共感出来ませんねー、単に自分が嫌なことに対して聞き分けられずに駄々をこねる子供みたいで。
 もし望みが叶ってワガママが通ったとして、その責任取れるのか、みたいな。自分たち的にはグッドエンドでも、学園的にはほぼバッドエンド直行確定ですよ?

 あと、帯刀OKなのは学園内だけ、体裁的に校門前はNGとか言っている割に、完全に学園敷地外の商店街やら飲食店で刀振り回して戦闘繰り広げるのはありっていうのは意味分かりませんでした。矛盾しているにも程があるんですが。

≪グラフィック≫
 原画家はあかざ氏。
 CGは全90枚、差分は1〜4枚ほど。

 この点については文句無しな出来ですね。立ち絵と表情の種類も多く、可愛くコミカルに描かれてます。むちむち感も健在です。
 前回はちょっと線の荒い感が強かったですが、そこら辺も改善されてました。
 芹栖の妄想してにやけまくってる立ち絵とか好きでしたね。

≪サウンド・ボイス≫
 ボーカル曲はBARAKO嬢でOP曲『乙女ゴコロ×局中法度』、BGMは全9曲。
 BGMはコミカルな曲調のがメインですね。それに加えて和風テイストなのがいくつか。
 質としては概ね水準以上だったかと思います。

 ボイスの方も桜川未央嬢やかわしまりの嬢と、総じて良い演技されてるかと。

≪システム≫
 フルインストールで2.2G、ディスクレス起動可。
 いつも通りのテックアーツ系列のシステムです。
 プレイしていて不自由なところは無かったですが、スキップが特別早くも遅くも無い微妙な速さでやきもきさせられた気はしましたね。共通シナリオが長いだけに。

≪えちぃ≫
 シーン回想は全43シーン。内訳としてはイサミ:7、歳緒:6、総詩:6、やち:5、初音:5、芹栖:5、紗乃:5、涼華・心・伊織:1×3、ハーレム:1。

 シチュは愛撫にフェラ、シックスナイン、自慰、手コキ、足コキ、パイズリ、各種体位と、オーソドックスなのが一通り揃えられていますね。
 メイド服、スク水、裸エプロンなど、コスプレでのシーンも結構充実しています。

 あかざ氏の原画もえっちぃですし、アニメも動いているんですが……いかんせん、尺が無さ過ぎて、全体的に質は非常に微妙です。
 大半のシーンが、始まったと思ったら十数クリック程度で射精と、ものっそいまでの主人公の早漏ぶりでプレイヤーを絶望させてくれます。どうしちゃったのメイビー。
 濃い目なえちぃシーンもメイビー作品の見所の1つだっただけに、この出来は残念。

≪総評≫
 前作『パトベセル』が非常に出来が良かったので期待してたんですが……笑いの質をはじめとして全体的にボリュームがダウンしていて、見事にそれを裏切ってくれた作品でしたね。期待していた分、反動と落胆が強すぎました。
 フルプライスのコストには到底見合わない出来でしたね。

 08/04/08




もどる