鋼炎のソレイユ
−CHAOS REGION-


この物語は、古き世界に始まる。
黄昏を迎え、世界という名の幹は朽ち果てるとも……
その幹より芽吹き伸びた枝が新たな幹となり、無数の世界を生み出していく。
その一つは、他の幹より遠く離れた、白銀の翼を持つ戦乙女の世界。

そして今一つは……

無数の世界という名の幹が絡み合う混沌……
そのただ中にある、一つの世界。
二つの世界は酷似していながら、相反する存在である。
白銀の世界は他の世界より離れ、個として存在する。
しかし今一つの世界は、他の世界と絡み合い、触れ合うように存在する。
絡み合う世界達は互いに影響し合い、ときには別の世界を呑み込みことで、さらになる変質を遂げる。
それらの世界に住む者達は、自らの世界を守るために他の世界からの侵入を拒み、戦う術を手に取る。
そして、その力こそが新たな混乱を招き生み出す……
絶え間ない混乱と闘争の世界。今ひとつの世界をこう呼ぼう。

“ChaosRegion−混沌領域−”と。


≪シナリオ・プレイ感≫
 いくつもの世界に繋がる世界へと、女性にさせられて飛ばされてしまう話。
 ライターは素浪人氏、弘森魚氏、巳無月麗羅氏、神楽坂ナオ氏の4名。

 シナリオとしては、北欧神話+クトゥルー神話をベースにした感じのものですね。
 突然異世界へと飛ばされ、ヒロインと出会い、否応無しに戦いに巻き込まれることになり、それを乗り越えていく内に様々な真実が明らかになっていき……と、オーソドックスで王道なノリではあるものの、展開としては結構楽しめたとは思いますね。

 ただ、正直言うとテキスト周りとシナリオの構成の問題により割を食っている感がかなり強かったと思えたのも確かでした。
 まずテキストですが、質的には悪くはないものの、その傾向が作品のジャンルと合っていない感が強めですね。基本的にセリフの方に比重が置かれており、地の文での描写がそれと比べて極端に少ないためか。
 コメディ作品とかであればテンポが良くなるため合うとは思うんですが、こういったシリアス系、しかも戦闘場面が多い作品において描写が無いっていうのはちょっと致命的な気がしました。
 1人のセリフが息継ぎとなる描写無しに続くこともざらにあり、そのためラスト近辺で真相が明らかになる場面でもほぼセリフのみでの説明で分かり辛かったり、戦闘シーンもセリフ中心にして展開されるため、いまいち状況を捉えづらかったりですし。
 画面演出や声優の方の好演もあって情景は伝わってはくるんですが、キャラの細かな動きや、わずかな心情の機微を描写するにはどうしても文章による描写は必要になってきますし、それによって臨場感が生まれるものだと思います。
 そういうところにもう少し手を加えていれば十分に燃えるシチュエーションに出来たシーンは多かっただけに残念でしたね。えちぃシーンでの描写は何気に良かったりしますし、その分を何ぼかでもシナリオ面に回していればと。
 流石にラスボスへと止めを刺す場面においても描写による盛り上げや溜め無しに、ヒロイン叫ぶ+演出のみで終わったのはどうかと思いましたし。

 構成の面での欠点としては、桜火、麟、音子、瑠琉、グリム&ヘルムの5組が攻略出来るものの、シナリオが概ね1本道な点でしょうか。
 一応大まかなものとしては桜火ルート、麟ルートの2つに分けられますが実質同シナリオの派生ルートといった感じで、更に桜火、麟以外のヒロインについても音子、グリム&ヘルムは桜火ルート、瑠琉は麟ルートを流用してところどころを彼女らのイベントに差し替え、取って付けたようにエンディングをそれぞれのものに変えたものとなっています。
 そのため、メインとなる桜火と麟の描写が多めとなっており、他ヒロインとの惹かれるまでの掘り下げが甘かったような。
 音子、瑠琉は日常シーンでも関わってきますからまだましにせよ、グリム&ヘルムは個別イベントが中盤での各えちぃシーンぐらいしか無いため描写不足なきらいが強かったですね。
 せめて、最終話くらいは各ヒロインそれぞれ別なシナリオにして欲しかったです。

 ……と、構成面ではマイナス点が多かったですが、キャラ造形は結構良かったんじゃないかと思います。
 ヒロインも可愛らしく魅力的となっていますし、サブキャラも無限、黒亀、煉獄、スズキ、3バカと良い味出していましたね。特に無限の正義の貫き振りは印象深かったです。彼女を攻略出来なかったのは惜しいところではありますが、まあアレがデレるところが想像出来ませんし、サブであってこそのキャラだとも思いますね。
 
 ですが、最も『ヒロイン』として魅力あったと思うのは主人公の流でしたね
 一応ギリギリで男主人公に分類されますが、オープニング終了後早々に異世界にて精神を妹の体に入れられ女性へとクラスチェンジ、それ以降終始女性として描かれるため、男としてのイメージよりも女性としてのそれのが遥かに上回っていましたね。
 最初から一人称が『私』で女性になっても違和感無いですし、女性になってしまったことに自分は男だと悶々としながらも、最初は着ることを戸惑っていた女物の服へと徐々に抵抗無くなっていったり、街中で男から可愛いと言われ嬉しがったり、女性としての快楽に目覚めてきたりと、どんどん女の子っぽくなっていくのが描写出来ており、ぶっちゃけもうメインヒロインの風格すら漂わせますね。
 イベントなどでたまに薬を使って男の体(妹の体ベースの)に戻ったりはするものの一過性でCGではあまり描写されませんし、えちぃシーンにおいてはほとんどのシーンでアレのみ元に戻った状態、エンディングに至っても男に戻れたのは瑠琉エンドくらいで他は全て女性のままだったりと。ウェイトレスしてたり女戦士してたり悲劇のヒロインしてたりと、完全に女の子してます。

 戦闘パートでのカードゲームの出来はブランド初の試みとしてはそんなに悪くなかったんじゃないかと思いますね。必要に応じてわざと負ける必要もあったりと、戦略性もそれなりにあって。
 ただ、勝利条件が相手方の全てのキャラクターカードを破壊or捨てさせることなんですが、中盤以降は相手も10枚近くカードを再生させたりしてくるので、再生条件を確実に潰していかないと延々と沸いてくるのでかなり面倒だったり。
 まあ、初回から戦闘パートは勝ったことにしてスキップ可能になっているので、詰まって進められなくなることは無いんですが。

 その他で目に付いた点としては、ゲームが進行すると手に入るカードが基本完全上位互換なので、ラスト近辺では選択の余地がそれほど無かったりすることでしょうか。また、クリア後はそれまでに入手したカードを引き継いだ状態ではじめから開始出来るんですが、ヒロイン毎の分岐が中盤に入ってからなのでまた最初からっていうのはちょっと不親切だったような。
 というか、前作『白銀のソレイユ』のカードが手に入りますが、もうちょっと数値的に優遇されても良かったんでないかなと。実戦にとても堪えない性能ですし。

≪グラフィック≫
 原画家は蔓木鋼音、さえき北都氏の2名。
 CGは全74枚、差分は1〜4枚ほど。

 原画家2人ともに、特に崩れることなく上手く描かれていますね。可愛らしいですし、えちぃシーンでの肉質や汁気もあり、全体を通しても良質だったと思います。……しかし、触手に対する気合が異様にあるなーと。
 ただ、完全にタイプが違うことによる弊害か、別原画家のキャラ同士が一緒になっているCGが無いことはかなり残念でしたね。
 そのため、えちぃシーンで主人公が入るのが麟、グリム、ヘルムのみで他のヒロインでは手や足などの体の一部のみだったりしたりと、シチュエーションの幅が狭まってしまっていましたし。

≪サウンド・ボイス≫
 ボーカル曲はRita嬢でOP曲『ヴァルハラ』と、ED曲『流れ星』の2曲。
 OP曲の方はアップテンポで激しい曲調の良曲。個人的には結構好きなタイプでした。Rita嬢の曲はコンスタントに出来が良いですね。
 BGMは全15曲。
 日常シーンでの穏やかな曲調のもの、戦闘シーンでの落ち着きながらも熱い曲調のものがメイン。出来としては概ね良い感じかと思います。『鋼・天意無法』とか好きでしたね。

 ボイスの方はメインの風音嬢、青葉りんご嬢をはじめとして、概ね十分上手いレベルとなっていますね。特に問題無しに。
 でも出来ればもう少し、主人公役のの民安ともえ嬢ボイスも入れて欲しかったですね。重要シーンやえちぃシーンで入る程度と、他と比べて少なめでしたので。

≪システム≫
 フルインストールで3.8G、ディスクレス起動可。
 プレイしていて必要になるものは揃っており、不便は無かったですね。
 コンフィグも各種細かく設定出来ますが、もうちょっと簡素な方が使い易かった気はしました。

≪えちぃ≫
 シーン回想は全20シーン。内訳としては流:5、桜火:4、麟:4、音子:2、瑠琉:2、グリムゲルデ:1、ヘルムヴィーゲ:1、複数:2。

 各ヒロイン毎のイベントでの純愛和姦シチュ(一部例外部分あり)と、戦闘敗北後に挿入される凌辱シチュが丁度半々に分かれています。
 プレイ内容としては純愛シチュの方では愛撫、フェラ(責・受両方)、シックスナイン、自慰、各種体位と概ねオーソドックスなものですね。
 対しての凌辱シチュは大半が触手関連となっています。被虐分がかなり強く、産卵や洗脳など、かなりハードでした。

 純愛シチュでの主人公とヒロインが惹かれ合い、甘い雰囲気の中での和姦も良かったんですが、個人的にはやはり凌辱シチュの出来の良さが印象深かったです。
 戦闘に敗北し、力の入らない体を為す術も無く蹂躙され……っていうのがメインですが、ヒロインの肉体への凌辱というよりかは、その精神面をズタズタに引き裂いていく感じで好みでしたねー。
 ヒロインの高潔な心に徐々にヒビが入っていき、耐えに耐えた末に瓦解して壊れていく姿が上手く描かれていました。
 絶対に守ろうと、心の支えにしていた相手が完全に崩壊させられた姿を眼前で見せられながら、絶望して堕ちていく様など、なかなかそそられるものがありましたね。

 欲を言えば、純愛シチュではグリム&ヘルムは2人で1シナリオなんですから3Pなど欲しかったところ。
 凌辱シチュの方では堕ちた麟と流での絡みとかありましたし、桜火と流でのシチュも欲しかったですね。洗脳された流に犯される桜火とか。

≪気に入ってるシーン≫

自棄になりながら、女性としての快楽に溺れる流/記憶を書き換えられ、犯され崩壊させられていく桜火と麟とを見せられ、ペットとして煉獄へと奉仕する流/永遠に生かされ続け、身体を内側から侵されながら、遙の玩具、愛玩動物として奉仕し、幾度と無く壊され続けていく流

桜火
野外にて、マントの中の何も着ていない身体を愛撫される桜火→地面に横になった桜火との正常位/煉獄により手足に杭を刺され台座に固定され、乳首とクリトリスに何本も鉄針を貫通させられ激痛と快楽で焦らされ、自分から処女を奪われるのを哀願し、壊されていく桜火


心の支えにしていた流が完全に壊されていたことを知り絶望、流の眼前で触手により蹂躙され、壊されていく麟

音子
触手に犯され、産卵の快楽に溺れていく音子、それを見ながら同時に犯され、同じように壊される流

ヘルムヴィーゲ
媚薬となるヘルムの体液に理性を蕩かせられながら、彼女に手コキフェラさせられる流→力の入らないままに、ヘルムによって処女を奪われる流

複数
全身を触手で犯され卵を産みながら、生やされたふたなりで壊れた麟と愛し合いながら快楽に壊されていく流

≪総評≫
 世界観、CG、キャラと、材料は良かったんですが文章による料理の仕方がそれを活かしきれていなかった、という印象ですね。
 えちぃシーンの出来が良く、その面で見れば普通に良作ではあると思うんですが、シナリオ面をメインと見ると高い評価は付け辛い作品。
 続編を匂わす下りもいくらかありましたし、次が出る際にはそういう点を改善していて欲しいところです。

 08/05/24


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