普通じゃないッ!!


――4月、春。
幼い頃に父親の転勤で離れ離れとなった憧れのお姉さんに会うために、俺はこの街へと戻ってきた。
死に物狂いで勉強し、彼女が教師をやっているという名門・清澄学園に入学することができたのだ。
これから楽しい学園生活が始まるはず……だったのに、そんな幻想を打ち砕くほど周りにいる学生たちは一癖も二癖もある者ばかり。

露出狂の生徒会長に、3度の飯よりオナニー好きな副会長。
スポーツ特待生のクラスメイトは、臭い匂いに興奮して俺の下着にまで興味を持つ始末。
しかも憧れだったお姉さんもとんでもない性癖を隠し持っていて……。

表の顔は誰もが羨む学園きっての優等生――しかし裏の顔は誰にも言えない性癖をもつ変態淑女たちだった!!

そんな彼女たちの秘密を知ってしまった俺は毎日が振り回されっぱなし。
これから3年間、こんなところで過ごしていかなくちゃいけないのか……。

かくしてエッチでエロエロでアブノーマルな学園生活が今はじまる!!


≪シナリオ・プレイ感≫
 変態性癖を持ったヒロイン達と過ごす学園生活を描いた話。
 ライターは須永成人氏の名。

 作品のテイストとしてはえちぃシーンにかなり重点を置いたコメディ作品、といった感じでしょうか。ふとしたことからヒロイン達の持つ変態性癖を知ることになり、その性癖を発散出来る相手として付き合っていくうちに結ばれて、というのがシナリオの主な流れですね。

 ……ただ、メインヒロインにサブキャラと、登場人物が軒並み変態性癖持ちというにぎやかな雰囲気な中でのコメディゲーがやりたいんだとは思いますし、コンセプト自体は悪くなかったと思うんですが、正直楽しめたかというと個人的にはちょっと微妙だったかな、と。
 何というか、全体的に説明不足というか肉付けとなるような描写が薄いため、展開が性急なきらいがやたら強いんですよね。あまりスパンをおかずにえちぃシーンを入れようとしているのもあってか、会話などでの交流や内心の描写とかほとんど無しにとんとん拍子で事態や関係が進展していくため、良い感じにプレイヤーを置き去りにしてくれます。昨日今日知り合って少し話した程度の主人公に自身の何年もの間抱えていたトラウマを打ち明けてそのまま初体験直行とかされた時はぶっちゃけ『随分とまあ軽い悩みだったんすねw』と素で思いました。描写すべきところでしないため、どうにも設定やキャラの行動に説得力に欠けるんですよね。
 コメディ要素を重視するためにシリアスな部分は控えめに、というのは分かりますし、積極的にえちぃシーンを入れるためにある程度説明不足になるっていうのもまあ仕方ないと思うんですが、それを抜きにしても単純に背景や設定の描写が足りなかったと思います。

 加えて、ここら辺は作品のボリュームにもかなり影響してしまってるように。各ヒロイン毎に純愛寄りなルートと更にハードな方向に走るルートに分かれ、それ以外にもハーレムルートもあったりではあるんですが、イベントの分量が少ないため、フルプライス作品というにはやや物足りなさが強かったように思いますね。



 作品を通して積極的に描かれるえちぃシーンにしても私的にはいまいちだったと思いますね。
 各ヒロインの持つ変態性癖を活かしたものが多く、それ自体は悪くないんですが、こちらでもシナリオ面で感じたのと同様、肉付けが薄く見えるものが多かったように思います。1つ1つのシチュがややあっさりとしているというか、始まってから終わるまでがやたら性急気味な印象が強かったですね。もうちょっとじっくり書いても良かったと思うんですが……。
 また、基本的に純愛路線なためか、序盤はともかく後半に行くにつれてオーソドックスなものが主体となってくるのでアブノーマルなシチュ目的だと物足りなく思えましたね。

 基本的には主人公とヒロインでのものがメインとなっていますが、琴子でホームレスの男達に見られながらのがいくつかと、ハーレムルートで茜によりヒロイン処女喪失とかあるのでそういうのが苦手な人は一応注意。
 ……しかし、初めからフタナリだと分かってた茜に関してはそういうのもあるだろうなと思ってたので良いんですが、サブヒロインであるしおりの男子生徒との乱交は必要あったのかと正直。
 彼女の性癖であるドMを表すためのイベントで描かれるんですが、単なる共通イベントの1つとして何事も無かったようにさらっと流されるので釈然としなさだけが残るんですよね。別に我慢出来なくなって主人公にいたぶるよう懇願するとかでも全く問題なかったような……。
 そういう方向に行くくらいなら茜によるハーレム設立するとかのが良かったですね。

≪グラフィック≫
 原画家はさだヲ氏。
 CGは全80枚、内訳は内訳は琴子:25、仁美:22、紗耶香:22、その他・複数:11。
 差分は1〜13枚ほど。

 裸とかの格好だと特に際立つんですが、どうにもこの原画の方は胴を長く、腕を細長く描く傾向が強いですね。そこは結構気になりましたが、それ以外についてはヒロインの身体の質感なんかも上手く出ていましたし、全体を通して安定した質を保っていたように思います。

≪サウンド・ボイス≫
 ボーカル曲はnao嬢でOP『Transparent Emotion』、新井健史氏でED『fly away -はじけそうだよ BOMBER HEART-』の2曲。
 BGMは全15曲。全体的に明るめな曲調のものが多く、それ以外にシリアスな場面でも暗めな曲調のもの、落ち着いた曲調ものがいくらかといった感じですね。質としては概ね普通といったところでしょうか。

 ボイスも特には問題なかったですね。どの方も概ね上手く演じられてたと思います。仁美役の雪都さお梨嬢は商業のものではこれが初めてっぽかったですが、なかなか良い演技されてましたね。

≪システム≫
 フルインストールで1.98G、ディスクレス起動可。
 プレイする上で必要なものは揃っていましたし、プレイしていて特に不便に思うことは無かったと思います。

≪えちぃ≫
 シーン回想は全39シーン。内訳は琴子:13、仁美:10、紗耶香:11、その他・複数:5。
 
 シチュとしては序盤はヒロインに押される形で行為になだれ込み、それ以降は双方同意での和姦がメインとなっていく、といった感じですね。ヒロインのアブノーマルな性癖に付き合っていくうちに恋人関係になってと。全体的に明るめなテイストが強めです。
 プレイ内容としてはキス、愛撫、フェラ、クンニ、パイズリ、手コキ、各種体位、道具、といったところ。
 琴子でホームレスに見られながらの行為+精液ぶっかけ、仁美で飲尿、しおりで乱交シチュがあるため、そういったのが苦手な方は一応注意。

 全体的にヒロインの持つ性癖を活かしたシチュが多く用意されているんですが、質としては個人的には少々微妙でしたね。
 シチュ自体は悪く無いものの、1つ1つのシチュの描写の肉付けが弱く、始まりから終わりまでがやたら性急気味となってしまっていたように思います。シナリオもそうでしたが、何でこうこのライターの方は大事なところを端折りたがるんでしょうかねー……。もっとじっくりと描写するなりすれば十分に良くなったと思うだけに残念でした。

≪総評≫
 登場人物が軒並み変態性癖の持ち主というコンセプト自体は悪くなかったものの、シナリオ、えちぃシーンと全体的に描写を端折り過ぎていて台無しにしてしまっている作品でしたね。削るべきところは削るべきですが、書くべきところはしっかり書いて欲しかったです。

 10/11/01


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