姫巫女・繊月


――もう、夏が訪れていた。

いつの間に梅雨は終わったのだろうか。
肌にまとわりつくようなジワリとした感覚は消え、代わりにうだるような熱さが大気を支配する。
最も生命に力が満ち、やがて来るべく冬に備えてその力を蓄える季節。

そして、数年前に……姉を失った季節。

「また、思い出してるのか?」
隣にいる相方が、そうアタシに話しかけてくる。
忘れるはずがない、忘れられるはずがない。
アタシにとっては世界のすべてであり、いくつもの過酷な現実から守ってくれていた、大切な姉なのだから。
ひだまりのような暖かさでアタシを包んでくれた、その感触は今も胸に残っている。
「思い出すまでもないわ」
そう、アタシにとっては思い出す必要すらない。
その笑顔も、なにもかも、ぜんぶぜんぶ、覚えているから。

「行きましょ、リチャード」
そう、姉が歩いていた道を。
鬼と戦うというその意味を、アタシは理解しなくちゃいけない。
今はまだわからないけど、ただ……戦うのみだから。



≪シナリオ・プレイ感≫
 跋扈する鬼を倒すために戦う姫巫女たちの話・その2。
 ライターは有島悠也氏、モーリー氏の2名。

 前作プレイしたのでやってみましたが、触手凌辱モノの出来としてはそれほど悪くは無かったですね。
 近頃の触手モノは大体、媚薬を流し込んで快楽を感じさせるようにして……っていうのが多いように思いますけど、今作の場合そういうのは少なめになっており、苦痛に嘆きながら抵抗するヒロインを蹂躙する、といったテイストは結構出てたんでないかと思います。悪趣味なシチュもそれなりにありましたし、そういう面では概ね満足出来たかと。

 ただまあ、シナリオについては前作同様、あまり良いとは言えなかったですね。フルプライスの割には量も足りない感じでしたし。話が飛び飛びで展開がぶつ切りになっている印象も少なからずあったり、後述の説明不足な点やシステム面での不親切さなんかもあったりと、質の方はいまいち微妙と言わざるを。



 とりあえず、前作を知っていることがプレイする上での大前提になってるのはど〜かと思うんですが、正直。
 ゲーム開始直後からいきなり紹介無しでのヒロイン同士のだべりを見せられたり、理由も描かれず唐突に訓練シーンが挿入されたりした辺りからも伺えるんですが、キャラ設定・舞台設定と、前作である『姫巫女』の設定を踏襲しているのに、それに対しての配慮が欠けてるんですよね。
 前作から引き続き登場するキャラの設定に、姫巫女や鬼といった作品における重要な設定などについての説明をほとんどせず、プレイする側がそれらのことについて当然知っているものとしてシナリオを進行させてと。
 一応新ブランドの作品ですし、そうでなくとも前作が出たのってもう数年前の話なんですから、少しくらい説明したって良いと思うんですけどねー。そこまでの分量を割かなくとも、あるとないとでは雲泥の差でしょうし。

 また、システムに『裏言探し』というものがあるんですが、これがかなり作品のテンポを遅らせる要因になってますね。
 テキスト中に散りばめられた裏言(特定の単語の補足みたいな感じですね)を回収することでグッドエンドへと行けるようになるというもので、とりあえず総当りしていけば良いわけなんですが、見逃したままテキストを読み進めた場合、バックログでは回収出来ないため最寄のセーブデータからやり直す必要がある+長文、1クリックで消えるような短文にと、作中相当な頻度で発生する+いつ、どこのものを見逃したのか確認出来ないため、下手すると最初から確認作業をさせられる……と、マイナス方面に上手い具合にコンボが繋がりまくってるせいで、プレイを面倒にさせてますね。作品の肝は凌辱シーンですし、そこにさくっと行けないのが地味にストレスでした。

≪グラフィック≫
 原画家は浅賀葵氏。
 CGは全88枚、差分は1〜3枚ほど。

 原画家が原画家なため、完全にRasenテイストですね。概ね質としては安定していて良かったと思います。肉感やら汁気もありましたし。欲を言えば塗りはもうちょっと薄めでも良かったりとは。

 ……しかし、えちぃシーンのは大体良いと思うんですが、戦闘場面でのCGでは妙に違和感が。数自体それほど多くはないんですけど、体のバランスやら得物の大きさやらが目に付く、というか。

≪サウンド・ボイス≫
 ボーカル曲はなく、BGMは全25曲。
 BGMは日常シーンなどでの明るいのを除けば、全体的に暗めな曲調のものがメインですね。出来としては普通といった程度かと。

 ボイスの方についても特に下手な方もいなかったですし、それほど問題無かったように思います。

≪システム≫
 フルインストールで1.38G、ディスクレス起動可。
 クイックセーブ・ロードが無い、右クリックがウィンドウ消去に対応していない、シーン回想時ホイールでのバックログ不可と、かなり不満は多かったですね。
 セーブするとそのセーブをした箇所からではなく、セーブをした場面の冒頭から開始するという謎仕様はなんだったんでしょうか。

≪えちぃ≫
 シーン回想は全33シーン。内訳はすずり:3、穂乃香:4、小鳥:4、真魚:4、麗愛:6、複数:5、その他:7。

 シチュとしては和姦などは一切無く、全シーン凌辱系となっていますね。人間相手の輪姦に、人型や触手、蟲などといった鬼による凌辱とで占められてます。肉体改造や孕ませなんかも結構ありました。 

 とりあえず、質としては概ね良かったんでないかとは。
 尺もそれなりにはありますし、基本的にヒロインは精神的に屈せずに最後まで抵抗し続けてくれるため、苦痛に耐えながら凌辱される様は結構そそりましたしね。

 ただ、正直もうちょっとシーン数は欲しかったような。1人当たりのシーン数がそれほど多くはないので、いまいちボリューム不足で物足りないようには感じましたね。複数でのシチュが前作ほど無かったのもそれに拍車を掛けてました。
 あと、Rasen時代でもあったことなんですが、エンディングでの凌辱が回想に含まれないのは結構不満でしたね。

≪気に入ってるシーン≫
穂乃香
便器内から伸びてきた触手により二穴を犯され、全身を汚される穂乃香/目隠しと猿轡をされたまま拘束され、浮浪者たちに輪姦される穂乃香

真魚
拘束され母乳の出る体に変えられながら、蟲により産卵される真魚/触手で出来たオムツをはかされ、それに延々とアナルを穿られ絶頂させられる真魚

小鳥
手足の関節を脱臼させられたまま、苦痛の中鬼に犯される小鳥/アナルから蟲を産まされ、その蟲に全身を犯される小鳥


麗愛
蟲を出産させられ、産み落としたそれに母乳を吸われる麗愛/浮浪者により駅弁されながら輪姦されていく麗愛

複数
拘束され、触手で出来たマスクとオムツを付けられたまま状況も分からずに延々と触手を孕まされ産まされていくすずり、仲間の助けを待つすずりの横で同じように犯される穂乃香/身体を幼い姿に変えられ、鬼にそれぞれ前とアナルを犯されていく穂乃香と真魚

≪総評≫
 とりあえず、凌辱シチュはそれほど悪くはない作品ですね。
 ただ、システムの悪さやボリューム不足など不満点は結構多かったですし、前作が好きでやる以外ではあまりオススメは出来ない作品でした。

 08/09/30


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