変態性癖強制催眠
〜夢の中だけじゃ満足できないの〜


俺の意識が浮かび上がりかけた。清潔ですっきり乾いたどこかに流れていきそうになる。
―――嫌だ!
ほの暗く、ねっとりと湿った混濁の中に、再び自分を沈めていく。
―――俺は、もっと見たいんだ!
日ごろは取り澄ましている彼女たちが、周りに見せている姿ではなく。
彼女たちが心の奥底で見せたがっている姿を!そんな彼女たちを、俺は、もっと見たいんだ!

いつも眠ってばかりの影の薄い青年、眠木洋一(ねむき・よういち)。
内向的で、クラスメイトと会話することもなく、特に親しい友達もいない。
クラスの評価は『いっつも寝てる、地味なヤツ』。だが、洋一の見る夢がけっして地味ではないことを誰も知らない。

「ほぉら……もうこんなに濡れてる……」
「だめよ。そんな子のより……ね、こっち来てぇ」

夢の中で女たちは無思慮に肢体をはだけ、そして無防備に性癖をさらけ出す。
ああ、俺はこれこそが見たいんだ!

『本物を見たくはないか?』
―――!?
『おまえ、人の心に興味があるんだろ』
何かが俺の夢の中で語り出した。
『人が他人に見せている面の裏側が見たくてしょうがないんだろ』
『裏がなければ作ってでも、違う一面を見たいんだろ』

夢魔と名乗った奇怪な存在は、人を食った言動と姿で俺の願望をとうとうと語り出す。
『それができる能力、くれてやろうじゃないか』
唇が歪んだ。俺は笑っていた。


≪シナリオ・プレイ感≫
 ライターは永沢壱朗氏、ミノリ氏、碧依未来氏の3名。

 夢魔により与えられた力を使い、それまで抱いていた妄想を現実のものとしていく話。
 夢魔の力によってヒロインの夢へと干渉してその意識に少しづつ手を加えていき、それがやがて現実にも影響を及ぼしていく、といったのが主な展開。
 ざくそん氏監修ということで、少しづつ変えられていく、といった描写はそれなりに為されていましたし,
そこら辺はそう悪くなかったと思いますね。ちさとは精液便所へと、智香は倫理を変えられて風紀委員の使命として学生の性欲処理をするように、エリはアイドルとして見られる興奮を弄られ露出狂に、可憐は生徒を導く使命感を逆レイプ願望へと、それぞれに持っていた常識や倫理を全く別の異常なものへと変える、といった感じ。



 正常な精神が徐々に狂わされ、変態性癖を植えつけられ、それを当然のこととして認識していくように、といったシチュは好きではあるんですが、シナリオ面、CG面と、萎える部分が多いため個人的な印象としてはあまり良くはなかったかなーと。
 
 CG面については下で述べるとして、シナリオ面での不満を挙げると、まず主人公に執着心が無さ過ぎること。
 主人公の目的は『夢を操ることでどこまでヒロインを堕とせるか』であり、ヒロインのことはそのための実験台、モルモット程度の興味しか無いんですよね。それ以上の感情は終始一切持ちません。そのため、ヒロインが痴態を晒したり他の男により輪姦される様子を観察する、といったシチュが作品の大半を占めていてと。序盤から中盤に掛けての下準備となる段階では主人公も手を出しますが、それ以降はエンドに至るまでほぼ他の男にヒロインが犯されるのを見ていくだけなので、かなり興醒めするところが。作品が作品ですし他の男を絡めてのシチュはあるのは別に否定はしませんけど、もっと主人公自身で犯すシチュに多く比重を置いて欲しかったですね。

 また、MCシチュがあまりシーンに活かされていないと感じることも少なからず。各ヒロイン、前半あたりではそれなりに多めではあるんですけど、中盤からはほぼ全て輪姦や乱交シチュに終始してしまっていて。
 ここら辺はリキッドの特色であり悪癖でもあるところだと思うんですが、どんな作品だろうと結局そういうシチュにつなげてしまうんですよね、このブランドって。こだわりを持つのは大いに結構なことなんですが、作品によってはある程度それを捨てることも必要なんでないかとは思ったり。それでもこだわるんであれば、乱交メインのルートとMCシチュに特化したルートと分けるなり色々やりようもあるでしょうに。

≪グラフィック≫
 原画家は黒石りんご氏。
 CGは全90枚、ちさと:15、智香:18、エリ:15、可憐:17、慧:2、七菜子:2、響子:2、複数:19。
 差分は1〜10枚ほど。

 正直個人的にこの方の描き方は日陰影次氏やかんたか氏といった同ブランドで描かれている方と比べてあまり好きではないんですけど、今回は尚のことそう思えましたね。
 特に難があったのは、全体的に表情の描き方がいまいち上手くないように感じられたこと。普通の表情については良いんですが、感じてる表情になると、どうにも不自然というかバランス悪く感じてしまうことが多々。アヘ顔の描き方も適当気味で、ただ白目剥かせて舌を突き出しとけば受けるんだろみたいな感じが強くて萎えました。
 
 また、この方の絵柄が苦手な理由として男の身体を節々までやたらと強調して描くことが挙げられるため、ヒロインを犯す男の顔や身体が描かれる割合がかなり多いのもかなりマイナス。野郎の尻が手前に描かれたCGとか結構ありましたし。そんなんよりもよっぽど強調すべきものがあると思うんですが……。

≪サウンド・ボイス≫
 ボーカル曲は無く、BGMは全11曲。
 BGMは暗く、沈んだ曲調のものがメインですね。あとはいくらか日常シーンなんかでの穏やかなものといった感じ。出来としては普通、といったところでしょうか

 ボイスについては声優の方の演技はそれほど悪くないんですが、リキッドの特色であるフェラ関係にあまり力が入れられてないのはちょっと残念。また、シーン中頻繁にピー音が入ってくるので萎える要因に。
 というか、BGVありを謳っておいてBGV実装してないのはどうかと思うんですが……パッチ導入で解決できはしますけど。

≪システム≫
 フルインストールで1.1G、ディスクレス起動可。
 まー至極いつも通りなネクストン系列のシステムですね。実用ゲーですし、クリック1つでウィンドウ消させて欲しいものなんですが。
 あと、近頃この系列の作品ではアクチ認証求められることが多くなってるんですが、あまりユーザーにとって好ましいことではないですし正直止めて欲しいですねー。

≪えちぃ≫
 シーン回想は全70シーン。内訳はちさと(+慧):17、智香(+七菜子):17、エリ(+響子):16、可憐:13、複数:7。
 それぞれのヒロインのルート毎に妹や母親など対応したサブキャラが出てきますが、数自体は少ないですしややこしくなるのでヒロインルートに含めます。

 シチュとしては、序盤から中盤に掛けてのヒロインの夢の中に干渉して少しづつ変態性癖を植えつけていくものと、それ以降での夢魔の力が侵食した現実で男達に犯されていくものといった感じでしょうか。
 ざくそん氏が監修されてるということで前半の夢に侵入して精神を変質させていくというシチュはMC好きとしてはそれなりに良かったとは思うんですが、結局リキッドの悪癖なのかどのヒロインのルートにしても結局輪姦や乱交に行き着いてしまってるため、あまりそういうのに特化した感がないのは残念でした。こだわりを持つのは良いんですけど、作品によっては控えて欲しいですね。

 プレイ内容としては愛撫、フェラ、自慰、パイズリ、手コキ、道具、各種体位、アナル、輪姦、といったところ。他にはエリでボディペイントを施したりしての露出シチュや、ちさとや智香でスカ系なシチュもいくらか。後者の方は苦手な人は注意ですね。
 全体的に、輪姦や乱交の割合が高くなっており、タイトルから連想するようなフェチ要素を押し出したようなのは少ない印象。『変態性癖』とか謳ってるわけですし、もうちょっとそういうフェティッシュなのを多めにして欲しかったですね。

≪総評≫
 夢に干渉して精神を改変していくという触れ込みからMCシチュを期待してると輪姦が大半を占めているために肩透かしですし、絵的にも微妙な面が多くて実用目的としてはいまいちと言わざるを得ない出来ですね。リキッドは本当どこに行こうとしてるのか……。

 09/09/24


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