BackStage
TJR


葛木光明(かつらぎ みつあき)は俳優を目指す青年。
ある時、知り合いの演出家・水鏡京香(みかがみ きょうか)に誘われて、劇団『バックセット』の一員となるのだった。
変人として有名な水鏡だが、劇団には様々な人材が集まり、だが、やはり折り合いが上手くいかずに次々と団員が辞めていく。

「組織をまとめるのは難しい。」

水鏡は淡々とそう言って、再び団員を集める。しかし、むろん今度はそうそう集まらない。
劇団はムリだとしても、公演だけはしたいと思う光明は仕方なく自らも動き、様々な人材に声をかけていく。

『表現者を求む』

我こそは役者だと思えばそれは役者。
声優、アイドル、ダンサー、素人まで、とりあえず人は集まった。劇団バックセットではなく、"公演団体"バックセットとしてだが。
そして、あまりにもバラバラな面子を前にして水鏡は言う。

「光明、君にキャストのリーダーをやってもらいたい。舞台監督とまではいかないが、まあ、まとめ役だ」

とんでもないことを任されて唖然となる光明だが、悪戦苦闘しながら、なんとか面子をまとめていくのだった。


≪シナリオ・プレイ感≫
 良い舞台を創り上げるため、公演団体『バックセット』に集った様々な人々が、団結し、成長していく話。
 ライターははね氏、おるごぅる氏の2名。

 全体的に、至極オーソドックスな萌えゲーといったテイストですね。
 主人公とヒロインが出会って、共に目標に向かうために努力していく内に惹かれあって、恋に落ち特別な関係になって、そうして訪れる困難を乗り越えてハッピーエンドという、テンプレートといって差し支えの無い展開。
 ですけど、それほど悪い印象は無かったんですよね。プレイし終えて残ったのは、やれて良かったっていう気持ちの方がずっと多かったです。
 テンプレではあるものの、それぞれの要素は丁寧に描かれていましたし、奇を衒ったところが少なく、無闇に変化球染みた設定なんかに頼ることが無かったからこそ、素直に楽しめたように思います。演劇という舞台も、普段馴染みのない世界であるだけに結構新鮮に映りましたし、面白かったですね。
 深い感動なんかは無かったですけど、長さとしても短すぎず長すぎず、気軽に肩肘張らずにプレイできる作品だったと思います。



 共通、個別と、作品全体を通して描かれるのはタイトルである『BackStage』が示すように、舞台の上で実際に演じるのよりも、それに至るまでの過程の方ですね。華やかな舞台の上ではなく、その裏での、役者やそれ以外の交流だったり、それぞれの持つ苦悩だったりといった。
 そのためかちょっと地味な面は確かにありましたけど、目標となる舞台を成功させるために全員が団結して練習して、そうして交流を重ねていく内にそれぞれが成長していく姿、っていうのは上手く描けていましたし、普通に楽しめましたね。主人公、ヒロインと、どのキャラの考え方にしても結構共感出来る面は多かったように思いますし。悩みながらも自分の好きなこと(夢)に向かって全身全霊を賭せる姿っていうのは好感持てますね、見てて。

 また、各キャラが成長していく様子もそうですが、個別シナリオにおけるヒロインとの恋愛描写も割と良い線行ってたと思います。
 少しづつお互いに惹かれていく、っていうのもそうですが、やはり特筆すべきなのは、恋人同士という関係になってからのバカップル描写。
 なんというかもう、べたべたしまくりなイチャつきっぷりですからね。お互いがお互いを好き合って、必要としての、だだ甘な。日常シーンでもえちぃシーンでもヒロインの可愛らしさを前面に押し出してくるものですから個別入って以降にやにやしっぱなしでした。やってるとこ他人に見せられません。見られたら速攻口封じしなければならないレベル。



 ただ、取り立てて問題にすることでもないんですが、序盤の主人公のスタンスがちょっとアレなため、悪印象を受ける人はいるかもですね。
 仲間として共に舞台を演じることになった素人同然の仲間に対して、自分は演劇という仕事に誇りを持って必死にやっているんだから、他の人もそうであって当然みたいな、棘のある態度で接したりと、焦りのためかテンパってるというか、余裕があまり無いというか。ですけど、理解出来なくはないんですよね、そうなるのには。個人的にはそう気にはなりませんでした。
 目標となる舞台で成功出来さえすれば主人公の夢である役者への道が開けるわけで、そんな自分の夢を叶える為の数少ないチャンスがそこにあるのなら、焦りを抱いても仕方のないことだとは思いますし。それで他人に当たるのは身勝手と言えばそうでしょうし、決して正しくはないものでしょうけれど、だからといって頭ごなしに完全否定するべき感情では無いと思いますね。

 それでも最初から最後まで決して己の非を認めることをせず、ただ延々と当り散らして……っていうのなら擁護の余地は無かったでしょうが、序盤を終えるあたりで諭され、そんな自分を悔いて以降は程よく真面目さと熱さを持っていたり、他人の気持ちも察せたりといった良主人公になってくれましたしね。へたれたりすることも無かったりと、好感持てました。それも相まってヒロインと付き合ってからのデレデレしまくりなダメ主人公っぷり(褒め言葉)が引き立ってました。



 ……とまあ、概ね好印象ではあったんですが、ちょっと演出面での弱さがネックになっていたとは思いますね、正直なところ。立ち絵演出とボイスに頼りきっていて、それ以外、CGや画面演出なんかの面がかなり弱め。
 日常シーンにおいては情景は伝わってくるんですが、山場となる演劇部分でもそうですから寂しい感がありましたね。CGがあまり無く、立ち絵も私服などのものしか用意されてない為か、舞台中ずっと背景のままでボイスのみで進んでいくのもざらですし。

≪グラフィック≫
 原画家はたこ焼き氏、星崎ひかる氏の2名。
 CGは全80枚、差分は1〜5枚ほど。

 ややバランスがおかしいように感じるのも少しありはするものの、全体的には概ね可愛く描けていたと思いますね。柔らかめな、好感持てる絵柄でした。
 ただ、それだけに各ヒロインに用意されたCGの半分以上がえちぃシーンのものなため、それ以外のイベントでのが少なめなのが残念ですね。そらそっちのもあるに越したことは無いんですが。
います。

≪サウンド・ボイス≫
 ボーカル曲は柚木まき嬢でOP『BackStage』、BGMは全18曲。
 BGMは落ち着いた、優しげな曲調のものがメインですね。それにいくつかアップテンポなのや暗めなのといった感じです。出来としては概ね水準以上ではあったと思います。

 ボイスの方も、特に問題は無かったかと。ヒロインを演じられてるのは今まで聞いたことの無い名前の方ばかりではありましたけど、作風的には合っていたと思いますし、キャラにも合ってたと思いますね。
 しかし、出来れば主人公にも、パートボイスでも構わないので声を当てて欲しかったと思いますね。他の役には全員声があるのに1人だけ声無し、っていうのはちょっと寂しいですし。2人の役者が口を揃えて演じる場面とか。

≪システム≫
 フルインストールで2.25G、ディスクレス起動可。
 システム面での不満は特にありませんでしたね。プレイする上で必要なのは揃ってましたし、設定項目もそれなりに多めでしたし。

≪えちぃ≫
 シーン回想は全18シーン。内訳としては京香:3、アリス:4、ゆとり:4、安美:4、沙織:3。

 シチュとしては全シーン恋人になった上での純愛和姦ですね。お互いが相手を求めまくってのだだ甘なものオンリー。主人公、ヒロインと相手の不意を突いて愛撫したりフェラしたりパイズリしたりしますけど、相手のことが好きだから、っていう感情の上でのもののみとなっています。
 恋人になって初めてその行為をして、少しづつえっちくなっていく、っていうのは描けてたと思いますし、そういうのが好みな人には満足出来るんじゃないでしょうか。
 あと、主人公がびみょ〜にM寄りなせいか、ヒロインの方から攻めるシチュがそれなりにあったりですね。まあ、描写としてはソフトですし、甘い雰囲気なこともあってそう気にはならなかったと思います。年上ヒロインから良い様に責められるとか、年上スキーとしてはもうね、もうねッ!

 ……と、暴走状態から気を取り直し。
 プレイ内容はキス、愛撫、フェラ、パイズリ、手コキ、足コキ、各種体位といったところ。純愛和姦としてはオーソドックスなもので占められており、アブノーマルなのは一切ありません。とりあえず、そういうのを求める作品ではありませんし、尺も結構あったりと、こういう作品のものでは良かった方だと思います。

 というか、初回プレイの安美シナリオでプレイした際は主人公が早漏設定で個別序盤はそれをいいことに攻められまくって連続射精させられたりするんですが、それ以外のヒロインのシナリオでほぼ無かったことになってるのは気のせいですか。
 
≪気に入ってるシーン≫
京香
キスをしながら秘所を愛撫されて昂ぶらされ、正常位で処女を奪われる京香→興味を引かれ、立ったままそれを手コキしていく京香/風呂場にて、お互いに裸になり、後ろから体を洗われながら愛撫され、絶頂させられる京香→浴槽に手を掛けながら後背位で挿入される京香/気持ち良くさせようと、寝巻きから取り出して自分からフェラし、騎乗位で挿入していく京香→押し倒され、正常位で挿入される京香

アリス
後ろから胸と秘所を愛撫され、絶頂させられていくアリス→正常位に押し倒され処女喪失、その感覚に夢中になっていくアリス/気持ち良くさせようと、初めての口と手を使っての行為で攻めていくアリス/秘所を弄られ、悪態をつきながらフェラに夢中になっていくアリス→対面騎乗位で挿入し、抱きつきながら絶頂していくアリス

ゆとり
キスと愛撫に昂ぶらされ、正常位での挿入に初めての絶頂を迎えるゆとり→対面座位で挿入され、心からの告白を交わしながらの射精に絶頂していくゆとり/体操服にネコミミを付け、言葉攻めされながらパイズリしていくゆとり→ベッドに手を付きながらの立後背位で挿入されるゆとり/同意の上で押し倒し、騎乗位で挿入するもどうして良いか分からずに翻弄され、絶頂させられるゆとり→自分からフェラし、やり方を教わりながら夢中でそれに耽っていくゆとり

安美
裸で横たわる主人公の乳首を弄りながら、手コキで責めて射精させていく安美→騎乗位で挿入して処女喪失、積極的に動いて攻めていく安美/便座に座った主人公に自分から積極的にフェラし、搾り取っていく安美/昂ぶらせるためと、自分からパイズリする安美→後背位に押し倒され、リードされながら連続で絶頂させられていく安美

沙織
制服の下に着たスク水の上から愛撫され、絶頂していく沙織→正常位で挿入され、処女を奪われていく沙織/自分がリードしようと率先してフェラし、口内に射精される沙織→騎乗位で挿入するも、逆に翻弄されながら絶頂させられていく沙織

≪総評≫
 粗は決して少なくないものの、それを補って十分に魅力のある作品ですね。プレイして、素直に楽しかったと思える作品でした。
 奇を衒った設定なんかは無いため初心者にもオススメですし、そういうのに慣れた人にも結構口直しとして薦められる作品だったと思います。

 09/01/01


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