ウィザーズクライマー


舞台は中世ファンタジー。

魔力を持たず、魔法使いになれなかった一人の女の子と出会った魔法使い(主人公)は、女の子の覚悟に負け、特殊な技法(簡単に言えばエロだ!)を用いて魔力を与え、そして魔法の知識と技術を叩き込んでいく。

お互いの利害の一致の為、魔法使いの一番になる事を目指して!


≪シナリオ・プレイ感≫
 魔法が使えない少女を、一流の魔法使いとして育て上げていく話。
 ライターは内藤騎之介氏。

 良い意味で今作はキャラらしい作品という印象を受ける出来でしたね。プレイしていての中毒性はここ最近のキャラ作品の中でも群を抜いて高いものになっていました。
 一応、ラストに待ち受ける魔法大会で優勝することが基本的な目標として提示されはしますが、絶対にやらなければならないというわけではなく、それに出るか出ないかもプレイヤーに委ねられるため、プレイの自由度はかなり高めですね。勉強するのもバイトするのも冒険に出るのもプレイヤーの自由であり、全ての行動が強制されません。
 その中でメインヒロインであるセリスを、格闘メインにするか魔法メインにするか、どの武器を使わせるのかなど、色々な方向性で育てていく楽しみがありましたね。
 シナリオ的な味付けが薄く、全体的に盛り上がりには欠けるきらいはあったものの、それがかえってヒロインであるセリスの育成にまったりだらだらと没頭出来る感じはありましたね。いつものなんちゃってファンタジーなノリと合わせて、良い具合に暇を潰せる作品になっています。
 プレイ時間もよっぽどダンジョンにでも入り浸らない限りは1プレイ2時間足らずで終わりますし、気軽にプレイ出来る点も好感持てました。

 1周当たりが長い割に引継ぎが微妙だったりで周回プレイするには少し厳しかった『王賊』とはうって変わって、今回は周回プレイするのを前提にした作品になっていますね。
 初回プレイではろくにザコ敵も倒せず、一番楽なダンジョンすら登りきるのに苦労するため、まあ不可能ではないみたいですがラストの大会に優勝して完全な形でクリアすることはまず無理となっており、周回する毎に引き継ぎのポイントを増やしていくことで少しづつ前へと進めるようになっていく構成です。
 引継ぎが今回かなり強く、最終的には前周までに得たポイントの100%が払い戻されますね。そこまで行くにはいくらかのプロセスを経ることにはなりますが、普通にやっても7、8割は戻ってきますので、周回を重ねる毎に今まで倒せなかった敵やダンジョンの踏破が可能になっていくため、確実に強くなっていくのが実感出来ます。
 5、6週も終えた頃には最初から持ってるポイントだけでも残り3年間バイトなり冒険なりして好き勝手にモラトリアムしてるだけでラストの大会に楽勝出来たりします。というか、もう弟子入りする必要なくね? とか思わなくもないですが、この大味振りがキャラらしいですし、突っ込んだら負けでしょう。そこまでやってもまだクリアしきれないダンジョンがあったりしますし。

 気になった点としてはまず、『魔法使い育成ゲー』と銘打っている割に魔法の影がちょっと薄めな点。
 魔法に重点を置いたタイプにしようとすると、まず魔力がいくらあっても足りないんですよね。それなりに周回をこなして魔力の絶対値を増やし、ステージ毎の魔力回復量を増やしでもしない限り。
 で、結局必然的に遥かに魔力を消費しない格闘や武器のスキルを覚えていくことになるんですが、ぶっちゃけそっちの方をメインにしたスタイルの方が格段に効率が良いんですよ。魔力を消費しない分回復や補助に回せたり、ハンマーや鞭は範囲攻撃で一気に敵を倒せたり。格闘最強のゴッドブローに至ってはラスボスすら数発で葬り去れますし。
 敵の魔力を吸収出来る吸魔を使えるようにしてちゅーちゅー敵から魔力吸いつつ戦えば魔法メインでも行けるんでしょうが、一拍置きながら戦うのと一気に終わらせられるのだったら手早く済む後者のが楽ですし……。
 また、使える魔法の種類が多いことについては大いに結構なんですが、戦闘システムが基本AI任せでプレイヤーは大まかな指示しか出せないため、それらを好きに使えないのでありがたみが。
 使って欲しい魔法を使ってくれないため、それ以外の魔法を禁止して強制的にその魔法を使わせるようにするといったこともざらにあって面倒だと感じたのは少なくありませんでしたし、もうちょっと細かく設定出来たら、と。

 また、ゲーム性は高いものになっている反面、キャラ性はちょっと弱く思えました。
 プレイ中のほとんどの時間をセリスと過ごすことになるので、セリスについては特に問題無いと思うんですが、それ以外のキャラやヒロインにはあまり焦点が当たらないため、どうにも印象に残りづらい感じが強かったですね。キャラ同士での会話はいつも通りコミカルで楽しいんですが全体的に短く、固定となるイベントがほとんど無いためもあってか。
 セリス以外のメインヒロインにしても、こちらから会いに行くとかしない限りほとんど関わってこないですしね。プレイによってはサブヒロインであるソシエットなどより出番が無かったりすることもありましたし。
 何周することになるもののプレイヤーキャラとなるのはセリスのみなこともありますし、そういった点を解消する意味でも、周回することによってイエルを育てられるようになるとか出来たら良かったですね。

 あとはまあ……贅沢なことではあるんですが、周回による引継ぎが強過ぎること、でしょうか。
 あるに越したことはないのは確かではあるんですが、周回を重ねても敵の能力に変化はないため相対的にどんどん難易度が下がっていき、温くなっていくのもまた確かでしたね。まず間違いなく1周目が難易度のピークであり、それ以降は右肩下がりですし。それなりに周をこなす頃にはほとんどの敵に対してスタート時から無双出来ますしね。それでも十分はまれる作品ではありますが、半ばやりつくしたかなーと思えるようなあたりまで終わらせると、もう十分かという気にも。
 出来れば敵の能力値をアップさせたハードモードなんかあれば歯応え増したと思いますね。

≪グラフィック≫
 原画家は佐々木珠流氏、明音氏、皇征介氏の3名。
 CGは差分込みで全338枚、差分は1〜14枚ほど。

 概ねいつものキャラの絵柄ですね。作中作の担当が他とは違う程度です。
 全体的に崩れることなく可愛らしく描けているかと思いますし、いつも通りの安定感を保ってます。
 ただ、えちぃシーンに使うCGの種類はもうちょっとあっても良かったような。セリス以外、2〜4種類程度と少なめですし。

≪サウンド・ボイス≫
 OP『WizWiz経験中!』のショート、フル、ノンボーカルと、BGMが40曲。
 OP曲はいやに耳に残りますねー。ぱぱぱぱ〜のフレーズが。
 BGMはいつも通り、ほのぼのまったりとした曲調のものが多めですね。あとはそれと合わせていくつかシリアス目なのがいくらかと。

 ボイスの方は特に問題無いでしょう。ヒロイン、サブキャラ共に概ね上手く演技されているかと思います。

≪システム≫
 フルインストールで2.67G、ディスクレス起動可。
 プレイしていて不便なところはそれほど無かったですね。ロードがいつでも出来ないとかはちょっと気になりましたが。
 あと、いつものことではあるんですがここのはセーブロードの際が少しばかり面倒だなと。セーブ箇所選択→保存決定→本当にセーブロードするか決定と、地味に手順を取らされるせいか。

≪えちぃ≫
 シーン回想はえちぃシーンなしのもエンディングなんかも含め、全126シーン。

 シチュとしてはまあ、いつものほのぼのレイプですね。で、少しこなせば双方同意の和姦になるので凌辱色は無いのもまたいつも通り。
 プレイ内容は愛撫、パイズリ、シックスナイン、各種体位、3Pといったところ。あまりCGが用意されていないため、それほど種類はありませんね。

 この面についてはかなり微妙と言わざるを。ここに期待してると肩透かし食らうこと受けあいです。
 CGの種類の少なさをテキスト差分によって補い、1つのCGにつき2〜8シーンくらいに水増ししてるんですが、各シーン共通して最初のもの以外は数クリックする程度で終わるくらいに短いものになっています。というか、最初のシーン自体も正直かなり短めです。
 描写も結構淡白気味ですし、面白みも無かったですね。

≪総評≫
 ゲーム性においては今年出たのの中でもかなり上位に入りますね。がりがり暇を潰せる作品です。
 それ以外の部分でちょっとばかり粗が目に付きはするものの、十分に楽しめる出来だと思いますね。

 08/06/13


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